呼吸器外科( 化学療法部)
診療内容・特徴
善仁会病院 呼吸器外科は常勤医2名で診療いたします。
主な対象疾患と治療法
当科の対象疾患は、肺腫瘍(肺がん、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍など)、縦隔腫瘍(胸腺腫,胸腺癌や良性腫瘍など)、胸膜腫瘍(胸膜中皮腫など)、胸壁腫瘍、肺気腫・気胸、膿胸や胸部外傷(救急搬送される外傷性気胸など)です。特に呼吸器外科が扱うがんの中で最も多いのは肺がんです。肺がんは日本人の死亡者数がトップのがんですが、できるだけ早い段階で見つけて適切な治療をすることで、根治できるケースが増えています。
肺癌
現在当科において主に取り扱う疾患は肺癌で、原発性肺癌手術を年間40~50例施行しています。早期のもの、あるいは高齢者など患者様に応じて、根治性と残存肺機能の両面を考慮した上で、積極的に区域切除(低侵襲手術)も行っています。中では区域面が複数に及ぶ複雑区域切除も積極的に行っています。積極的縮小手術でも、一般に行われている肺葉切除と変わらない良好な成績、予後も得ています。
多くの患者様が術後4-5日目の退院となっていますが、家庭環境に応じて、入院期間は調整可能です。
切除が困難な病変に対してはドライバー遺伝子変異を検索した上で、患者様個々に応じた最適な抗癌剤治療を選択しています。また、多職種共同にて緩和ケアにも力を注いでいます。
がん患者さんに対するインフォームドコンセントは十分に時間をとり、メンタル面のサポートは勿論のこと、エビデンスに則った治療情報の提供と患者さん自身の治療選択の権利も重視していくことが大切と考えています。
良性肺腫瘍・転移性肺腫瘍
良性肺腫瘍、転移性肺腫瘍に対しては可能な限り小さな創で、部分切除や区域切除を行い良好な成績を得ています。
縦隔腫瘍(悪性・良性)
縦隔腫瘍は比較的まれな疾患ですが、切除対象となるものは積極的に手術を行っています。術前精査を綿密に行い、その腫瘍の特性に応じて、胸骨正中切開による拡大手術から、胸腔鏡手術まで、幅広く対応しています。
気胸
手術が必要な自然気胸はほとんどすべて胸腔鏡下手術で行っています。気胸の手術は若い患者様が多いですが、高齢者の遷延性肺瘻などに対しても、肺機能を十分評価した上で、手術を行い、良好な成績を得ています。